スタッフBlog
7月14日、15日は第24回心臓リハビリテーション学会がありました。
ランチョンセミナーで、二階堂暁先生(八王子みなみ野心臓リハビリテーションクリニック)が
「心臓リハビリテーションに特化した専門クリニックの運営・その役割」について
講演されていたのがとても勉強になったので、少し報告します。
・大動脈弓部の石灰化がある場合、80%近くが冠動脈の石灰化も起こっている
(そのうち中等度以上が約40%)。
・冠動脈CTでは、プラークの有無だけでなくどんな種類のプラークなのかもわかるため、
心筋梗塞の危険性について判断しやすい
・ヘモグロビンA1cが低いのに内臓脂肪が多い人は、運動と食事療法、そして糖質制限が必要
など、心疾患の診断や治療の決め方について、いろいろな検査結果と臨床所見、
身体所見をあわせて決めていくことがよく分かりました。
また、多職種連携については、医師、看護師、理学療法士、栄養士、薬剤師、
医療ソーシャルワーカーなど専門家を集めてチームを作るだけでは
うまくいかないことが多い、というお話も興味深かったです。
専門分野は専門家が担当してそれぞれ頑張ればうまくいく、と思いがちですが
そうではないとの事。
患者さんに関連する専門分野がAからEまであったとして、
それぞれが独立して同じ割合で存在するわけではない
(この図は私が真似をして作成しましたが、上の図のような感じ)。
それぞれの分野は重なり合っているし必要な割合はその人その人で異なる。
だから患者さんによってどの分野を手厚くサポートするかとか、
どの職種が役割を担うかはすべてが均等ではない(下図のような感じ)。
当たり前のようですが、うまく優先順位をつけて重なりながら手を出しすぎないように
役割分担するのは結構難しいことをこれまで経験しています。
縦割りや専門バカにならないように、コミュニケーションと工夫が重要だと思いました。
年齢が上がるにつれて周りに心疾患を持つ方が増えてきます。
心疾患の専門家ではなくても知っておきたい内容がたくさん学べました。
201807/27