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図書のご案内

視聴覚案内

今回は図書の案内です。

「ビジュアル版 脳と心の地形図 思考・感情・意識の深淵に向かって」
リタ・カーター著 養老猛司 監修 原書房(2000年)


 脳には、周りを認識する・身体を動かす指令を出す・考える・記憶する、など様々な働きがあります。科学の発達によって、どんなときに脳のどこが働いているかを見ることができるようになってきました。この本は、これらの様々な脳の働きを説明とともに図にして示しています(しかもカラーで!)。
 
 また、具体的な例を紹介して、こんな症状の人の脳を調べたらどこに問題があると分かった、とか、物事をとらえるときにはどんな道筋を通って記憶されるか、などが図と共に説明・紹介されています。


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脳腫瘍により切除手術を受けた男性の例では・・・

 手術によって感情を感じる能力が失われ、IQや記憶力・計算力、推理力は手術前と変わらないのに、手術後には朝一人で起きるとか、職場で何から作業していくかといった簡単なことも自分で決められなくなってしまった。感情がなくなったために、物事を天秤にかけ評価することができなくなってしまったというのだ。また、悲惨な写真を見せられた感想は「すごく残酷なのは分かる。でもいやな感じはしない」

・・・このようにわかることと感じることが分離してしまうのは、感情を意識にのぼらせる前頭葉の新皮質と、深い無意識の部分で感情を生みだす大脳辺縁系の接続が、何らかの形で切れているせいである。
 また、身体からのフィードバックがないと、感情と思考の区別がつかないことがあるため、頚から下の感覚を失った人では感情の減退がよく見られるという。 
(第四章 感情は化学物質である より)


 脳に特殊な化学物質が分泌されると、父親らしい・母親らしい子育ての行動パターンを呼び出す。この中でも重要な役割を果たすのがオキシトシンという物質で、これ自体は喜びを誘発しないが過去の経験をつなぎとめるニューロン接続パターンを融解することで、新しい経験を形成しやすくしている。 (第六章 他人の脳に入り込む能力 より)


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 結構な量があったので難しい部分は流し読みでしたが、今までになく脳に興味を持つことができました。イメージを使って身体の動きを変えたり、身体が環境をどう感じているかということも、脳の治療や理学療法分野だけでなくスポーツや健康増進の分野でも重要視されています。感じるというのはどういうことか、感じたことが頭の中でどう保存されるかを知るのにも参考になる一冊です。

ちなみに:ビジュアル版 脳と心の地形図2 脳と意識の地形図(2003年)という続編もあります。こちらは「意識」を中心に述べられています。

以上、<視聴覚案内 PartⅠ>でした。

201001/26

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